世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群デジタルアーカイブス

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宗像関連古文書・史料

  • 三種神祇并祝詞/
  • 三種神祇并祝詞/
文書群名 宗像家文書
文書番号 40
文書名 三種神祇并祝詞
和暦 天正三年九月吉日
西暦 1575年 9月
本文 (端裹書)「三種神祇〈并〉祝詞 氏貞」
 「(朱)∴」[   ]□〔皇カ〕大神祝詞〈大事〉
「(朱)・」合掌
神〈者〉、一滴〈於〉以〈天〉四海〈仁〉満〈天〉、 一流〈於〉以〈天〉五岳〈仁〉等〈支〉、通力在〈須〉。今献〈留〉所〈能〉礼〓〈於〉以〈天〉清浄〈与〉成〈志〉、是〈ヲ〉照〈志〉納受〈志〉給〈天〉、一切眷属〈乃〉諸神〈仁〉施〈志〉給〈天〉、所在罪〈与云、〉咎〈於〉如〈クニ〉潮〈乃〉沫〈乃〉如〈倶〉春〈乃〉雪〈乃〉消〈志〉失給〈ヱト〉申〈須〉事〈乃〉由〈於〉聞〈志〉召〈志〉給〈ヱト〉祝(朱書)〈ヒ〉申(朱書)〈ス〉。再拝〈云云〉。一通已上示相伝師弟。実名如例(朱書)「年号日付可在之。」
              受者氏貞
(朱)「∴」神道三種正神体大事
 (朱)「・」神璽(朱合点)〓 印内縛二火。〈立合〉
  是正真理授事、如〓水随器。
 (朱)「・」宝剣(朱合点)〓 印無所不至也。
  是智恵授事、如分別智。
 (朱)「・」内侍所(朱合点)〓 印八葉也。
  是慈悲之性因可授〈云云〉。
(朱合点)仰云、面授口決〈ニシテ〉不委細。
  神道阿闍法印大和尚位(「神道」「阿闍」ノ中央ニ朱線一本アリ、「法印」「大和尚位」ノ中央ニ朱線二本アリ。)
  三流都検伝師仁秀(花押)示。(「伝師」「仁秀」ノ中央ニ朱線一本アリ。)
(朱合点)天正第三〈(朱合点)乙/(朱合点)亥〉年(朱合点)菊月(朱合点)吉日
読み下し (端裹書)「三種神祇并びに祝詞 氏貞」
[   ]皇大神祝詞〈大事〉
 合掌
神は、一滴を以て四海に満ちて、一流を以て五岳に等しき、通力在らず。今献ずる所の礼〓を以て清浄と成し、是を照し納受し給ひて、一切(アラユル)眷属(ミコト)の諸神に施し給ひて、所在(アラユル)罪と云ひ、咎を潮の沫の如くに、春の雪の消し失せ給ゑと申す事の由を聞こし召し給ゑと祝ひ申す。再拝と云云。一通已上相伝師弟に示す。実名例の如し。(朱書)「年号日付はここに在るべし。」
              受者氏貞
神道三種正神体大事
 神璽バン 印内縛二火。〈立合〉
 是正真理授事、如バン水随器。
 宝剣バク 印無所不至也。
 是智恵授事、如分別智。
 内侍所ア 印八葉也。
 是慈悲之性因可授〈云云〉。
仰云、面授口決にして不委細。
 神道阿闍法印大和尚位
 三流都検伝師仁秀(花押)示。
天正第三〈乙亥〉年菊月吉日
大意 大宮司宗像氏貞、仁秀より三種神祇并祝詞を受ける。
紙質 斐紙
寸法(縦) 16.5cm
寸法(横) 53.1cm
備考 〓は一文字目は「昔」の「日」の部分が「貝」。二文字目以降は梵字。原本参照。読み下しではカタカナ表記した。 原本の読み下し文で省略されている部分については、読み下していない。 釈文の中央の朱線についての注記は、写真版を参考に実態に即した表現に改めた。
出典 『宗像大社文書』第2巻