世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群デジタルアーカイブス

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宗像関連古文書・史料

  • 神道榊葉之大事/
文書群名 宗像家文書
文書番号 39
文書名 神道榊葉之大事
和暦 天正三年九月吉日
西暦 1575年 9月
本文 「(朱)∴」神道榊葉之大事
 「(朱)・」伊勢参詣時、持参也。
 (朱合点)先護身法、(朱合点)次外五古印
 〓〓〓〓〓 (朱合点)三返
  (朱合点)次八葉印
「(朱)・」歌云、
  (朱合点)榊葉や立舞ゆふおゐ風に
   なひかぬ神はおわしまさしな
 是則参詣〈ノ〉首〈仁〉神明宿〈リ〉給〈ヱト〉云心也。
  榊〈ハ〉天照大神宿〈リ〉木〈ナレハ〉、天〈ノ〉真坂木兮香求山〈ニ〉生〈タル〉木也。是〈ヲ〉神木〈卜〉書〈事ハ〉、影向〈ノ〉最初〈ニ〉宿〈リ〉給〈カ〉故也。天岩戸〈ヲ〉引出〈志〉申〈須〉時、榊〈ヲ〉詠覧〈ノ〉剋〈ニ〉岩戸〈ヲ〉開〈キ〉給〈フ〉故〈ニ〉、祈念成就根本〈ナレハ〉、祈祷〈ニ〉専用之也。去〈ハ〉日記〈ノ〉歌〈ニ〉云〈ク〉、
(朱合点)榊葉に夕穴出付て誰か代〈仁〉
 神の社といわゐ初めん
        トナリ
権大僧都法印大和尚位(「権大僧都」ノ中央ニ朱線二本アリ。「法印」「大和尚位」ノ中央ニ朱線一本アリ。)
顕密伝灯仏神両道数流阿闍梨竪者仁秀(花押)示。(「顕密」「伝灯」「仏神」「両道」「数流」「阿闍梨」「竪者」「仁秀」ノ中央ニ朱線一本アリ。)
        (朱合点)受者氏貞(「氏貞」中央ニ朱線二本アリ。)
(朱合点)天正(朱合点)三〈(朱合点)乙/(朱合点)亥〉年(朱合点)九月(朱合点)吉日
読み下し 神道榊葉の大事
 伊勢参詣の時、持参するなり。
先ず護身法、次に外五古印
 バンウンタラクキリクアク 三返
  次八葉印
歌云、
  榊葉や立舞ゆふおゐ風に
   なひかぬ神はおわしまさしな
是れ則ち参詣の首に神明宿り給ゑと云ふ心なり。
榊は天照大神宿り木なれば、天の真坂木、香求山に生じたる木なり。是を神木と書く事は、影向の最初に宿り給ふが故なり。天岩戸を引出し申す時、榊を詠覧の剋に岩戸を開き給ふ故に、祈念成就の根本なれば、祈祷に専用するなり。去れば日記の歌に云はく、
榊葉に夕穴出付て誰か代に
 神の社といわゐ初めん
        トナリ
権大僧都法印大和尚位
顕密伝灯仏神両道数流阿闍梨竪者仁秀(花押)示。
        受者氏貞
天正三〈乙亥〉年九月吉日
大意 大宮司宗像氏貞、仁秀より神道榊葉之大事を受ける。
紙質 斐紙
寸法(縦) 16.5cm
寸法(横) 53.1cm
備考 〓は梵字。原本参照。読み下しではカタカナ表記した。 釈文の中央の朱線についての注記は、写真版を参考に実態に即した表現に改めた。
出典 『宗像大社文書』第2巻